覆面作家企画8 Dブロック感想
D01 秘密透視
直球の学園青春ものだ。嬉しい楽しい。皮肉じゃないよ。本当に頬が緩んでいる。目指せシリーズ化書籍化。めぐみちゃんの二重人格キャラもそんなに突拍子もないとは思わない。会話にパペットを用いる、同じような感じの女性が実際にいると聞いたことがある。
D02 神の庭
神獣は必ずしも邪悪な存在ではなくて、ならば責められるべきは、神苑から逃がしてしまった管理者のほうではないのか。それって、長い旅を経て突きとめてみれば、実は隣にいる彼女でした、なんて修羅場にならなきゃいいけど。ふたりの少年時代の出会い、って何なんだろう。
D03 服飾お仕事
読んでて背筋が伸びる現代お仕事話。そして自分、こういうフェミニンな職柄に弱い。タイトルもフランス語っぽくてカッコイイぞ。発音できないけど。ここで述べられてるジンクス、どこまで業界で実際に言われてることなんだろう、なんてことを考えるのも楽しい。
D04 転生勇者
意外な展開でした。でもそれだけ勇者と魔王が、裏腹に糊で貼り付けられていれば、それを逆手に取る戦法も思いつくよね。ラストのお姉さんは、配役替えされた聖女様なのか、他人の空似なのか、はっきりしないところに含みがあります。
D05祖母夢
幼い記憶の混沌って、誰にでもあると思う。盲管は霊が見えず、見えなくて助かったと思っていますが、誰か親しい者がそれに苦しめられてたりするとかだと、あるいは一緒に見えたほうがいいのか。庇護と自立ということを考えたりします。
D06 夏寒波
パニックスペクタクルのシーンも幻想シーンも、生き生きしていて、楽しいです。ところでウルトラQには「東京氷河期」という話があつて、怪獣ペギラが出てくる。
というようなヌルイことを最初書いていたのですが、他のかたの感想読んだあと読み返すと、ラストとか本当に凄みがある。
D07 オズ魔女
魔女様が我々と同じ地平の人間で、この話の舞台の世界は、実験用プログラム? まあ「人生50年」の19世紀と比べても、我々だってそんなに賢くなってないしね。
D08 兄妹愛
類型のないストーリーで面白かった。「はじめの一歩」の間柴兄妹を思い出した。で、この状況。バラすね。そりゃバラすよ。黙ってたらみんな息苦しいばかりだもん。これが大人の知性ってものですよ。ついでに茶化す。このタイトルってそういうことだよね。
D09 てとてとて
電子ペットが、家族のアイテムひとつずつ帯びて傷心家出。そりゃ可愛かろうて。可愛いよ。タイトルがまた可愛い。意思表示はどうやってるんだろう、とか、いろいろ想像させられるのも楽しい。
D10 ルンタくん
ルンタを買う→床にものを置かなくなる→部屋が整頓される→そこに異性を呼べる→彼女(彼氏)はルンタを見て楽しい、というチャート。ウィンウィンウィンの法則?
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