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爆走ストルイピンカ

□ 覆面作家企画8  □

覆面作家企画8 Cブロック感想

Cブロック感想

 C01 銀行中二病 意外な犯人だったw いや、でも銀行で200はムリにしても、コンビニで3とか4とかならけっこうイケルかも。コスプレイベントの途中で、急遽現金が要りようになったときとか。この感想、犯罪教唆にならないだろうな。


 C02 モノノケ絵師 字数の制約から、二人のキャラの魅力が十分発揮されているとは言えないものの、かつての御桜さん御作のように、膨らませれば商業出版にも耐えるクオリティがあると思います。それくらい面白い。しかし幕末の絵師、享年30と分かっているのに、なんで生年不詳なのか。


C03 死の手招き 「とつおいつ」とはこのことか。知り合いを数えたら、いまも生きてる人より、すでに鬼籍に入った人のほうが多くなる時分から、幽霊はさして怖くなくなるって、誰かが言ってた。しかし独身者と妻帯者、本当にC06と好一対だ。お題のこなれ具合までよく似ている。


C04 なにも宿らない ネガティブなタイトルどおり、「好き、尊い」ではなく「嫌い・ウザい・厭わしい」を燃料にして駆動・推進される話。でも文章の諸スペックはとても高いので、乗り心地はなかなか悪くないネガティブ高級車。作中のヒロインの演奏とも通じるものか。


C05 中学生巫女 この娘の除霊の所作、ほのかにというより、ハッキリとエロチックだ。これは褒め言葉です。予期しないところで来られるから、けっこうドキドキしました。隣のクラスの人気者が、実はいけ好かないヤツに設定されているところも味があります。


C06 憎たらしい愛 外出時ハットをかぶったというから、磯野波平とかと同世代に思える。その設定を脅かす、新しすぎる事物や単語は、周到に排除されていて、リアリティがある。結果としてここにあるのは、妻ひとりだけでなく、失われた時代全体へのノスタルジーか。


C07 迷い子の手 これ、普通はABABっていう構成を取るよね。文章の巧さ、個々のシーンの表現力は、手練れの作であることを窺わせるが、自分は時空の回廊を渡り切れず、裂け目に堕ちてしまった。作品が残念というより、読んでるこっちが至らなくて申し訳ない感じ。


C08 1911 地理詳細不明・年代不明のアメリカンな感じ。登場する銃、調べたら45口径ガバメントのことか。女性が失意の自殺をするにはゴツすぎる得物だが、それがかえってリアル。飲食店がとつぜん詐欺師的ヒモ男の罪状を暴くお白洲になるのが痛快。


C09 プディヤ それこそ刺繍のような、丁寧で端正な文章。美しいストーリー。「大屋根」って表現が面白い。で、プディヤ、13歳くらいかと思ったら、その年齢とは。さすが未来の一族のリーダー。しかし一男性として言うと、怪鳥、怖いな。通過儀礼、行きたくないッス。
やっぱり冬木さんは、ハノンじゃなくてこのプディヤだと思う。6000字×冬木さん、という「尺感」からいって、ハノンはぴったりこない。こっちならバッチリはまる。


C10 奇病と難病 冒頭の但し書き、タイトルの耳慣れた日本語を、独自の定義で新たに縛ろうとは、なんと大胆不敵。普通は舞台を近未来とかに設定して、新たな言葉を一から作るところだが、ありきたりのフォーマットに収まらない野性味が作品全体に漲っています。


 C11 トゥルーエンド 筋だけ聞けば、ナルシスティックで食えない話だが、おとぎ話の反復構造や、ゲームブックの双方向性、あるいはメタ視点を取り込むことによって、批評性のあるスマートな作品になっていて、知性を感じます。




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Date:2018/05/20
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