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爆走ストルイピンカ

□ 覆面作家企画8  □

覆面作家企画8 Aブロック感想

A01 リセット研
履歴書もって訪ねてきた若者に、自社商品をグイグイ押してくる研究所もスゴイが、彼女の思惑はさらにその上を行く。破天荒な世界観。でも作品の中核には、「手を見れば人が分かる」というアナログな経験則が座っている、そのアクロバティックなバランスが面白い。



A02 美神AI
女性二人の会話における話し手が曖昧で、時制が曖昧で、虚実が曖昧で、けっきょく、今は亡き愛しいひとを思う夢の中で、すべてが揺蕩っているように見える。そういう効果は意図されたものかどうかは分からないが。



A03 電車兄妹 
好奇心旺盛な妹、可愛いなぁ。しかし師匠役のお兄ちゃんも、推理が蓋然性の枠を出ていなくて、ワシから見ればまだまだケツの青い駆け出し。結局ふたりまとめて可愛いのう。何、ワシかね。ワシはシルクハットおじさんじゃよ。



A04
地面にっ、手がっ、生えていたっ。これはタイトルからして即物的だが、内容もそれを裏切らない。暗喩とか、ほのめかしとか、余韻とか、思わせぶりとか、そういう面倒くさいものが一切ないのが潔くていいです。



A05 人外マンション
まず怪異、そこから「二人の奇妙な共同生活が始まる」と見せて始まらず、「やっぱり本当に怖いのは人間」。出だしの恐怖の予兆を丁寧に書いているのが効果的な、ああ、現代の人外もいる住宅事情。



A06 魔女88 
テンコーと金正日ならずとも、女性マジシャンの追っかけって、いっぱいいると思う。少年が弟子にしてもらえぬまでも、接近を許されたのは「近所の子」という特権があったから。それを投げ打って、夫候補として男として正面から名乗りをあげるならそれもよい。それも人生。ガンバレ。



A07 最果ての巫女
読んでて高揚する上質の文章。そこに美麗な単語を散らすだけなら誰でも出来るが、このパイは生地そのものが美味い。でも物語としては、フェイズの進展が乏しく、起承転結の承で終わっている印象。お前のドラマツルギーとか知らねえよ、と言われればそれまでだが。



A08 巡り巡って
青年と子どもが束の間、心を通わせているその背後で、大人たちは生臭い会議。複雑に入り組んだ人間関係の、のっぴきならない因果が示唆されはするのだが、仮説に飛び込んでいく勇気が持てぬまま時間切れとなる。青年本人はどう思っているのかな。



A09 手を貸した話。
相手が何者か分からず、その目的も分からず、ただちょっとほだされて、自分に負担はないから、一時の親切心で「手を貸す」って、それは危険だよね。海外旅行に際して、ちょっとした知り合いから、小さな包みを預かった、なんて話を思い起こしました。どこか近づいたこともない土地の殺人現場から、自分の指紋が出てきたりしたらイヤだな。



A10ハンス
とりあえずお題消化度が高い。西洋のおとぎ話として違和感がない。親指から薬指までのエピソードは、約束事をこなしていく感じなんだけど、小指の話は斬新かつ大団円の結びになり得ています。GJ。ところで「探偵の敵、それは童話」って、前に誰かが。あと「巨人の中指くらいありそうな大男」。巨人=ポール・バニヤン、大男=アンドレ・ザ・ジャイアントとする。



A11黄昏その店
そのシステムは、その料金システムは、理想ではあるんだけど、長いスパンでは、なかなか現実には難ししい点も多くて、うっうっ」と、リアル小売店舗自営零細の盲管を煩悶させるお話。どこか自治体でも企業でもいいから、明良ちゃんのスポンサーになってあげてくれ


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Date:2018/05/15
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